- 髪や頭皮に向いていない洗浄成分を知りたい
- その洗浄成分がなんで向いてないのか知りたい
シャンプー選びの基準としてどのようなことに注目していますか?
香りや値段で選ぶ人は多いと思います。
そんな中で、
細かいことはわからないけど、良くないやつは使いたくない!
と思うことはありませんか?
かといって、シャンプーの良し悪しなんかわからないという人が多いと思います。
今回は、ドラックストアやヘアサロンで販売しているたくさんのシャンプーの中で、洗浄力や脱脂力がシャンプーには向いてない洗浄剤(陰イオン界面活性剤)を紹介したいと思います。
一応これはシャンプーの洗浄剤としてはちょっと向いてないよねってだけで、界面活性剤として無能なわけではないのでそこは理解してください。
界面活性剤としては優秀なところも多いです。
最初に向いてない成分を挙げると、
- ラウリル硫酸Na・ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸Na・ラウレス硫酸アンモニウム
- 石鹸
- オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Na
辺りがシャンプーというか洗浄剤としてはあまり向いてない成分です。
石鹸なんかは使い方次第で向いていないというのは語弊がありますが、実は適切な使用に少しクセのある成分です。
- 洗浄成分として向いていない成分4つ
- 界面活性剤としては良いところ
- (補足)石鹸の表記のされ方
これを理解できるとシャンプー選びに役に立つし、価格とかの総合的にメーカーの意図なんかもわかると思いますよ!
シャンプーに向いていない成分4選(ラウリル硫酸・ラウレス硫酸・石鹸・オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸)
シャンプーの洗浄成分は基本【界面活性剤】と言われる成分になります。
洗浄効果は界面活性剤の特徴の1つです。
今回紹介するシャンプーの洗浄成分として向いていない界面活性剤は、
- ラウリル硫酸Na・ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸Na・ラウレス硫酸アンモニウム
- 石鹸
- オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Na
の4つです。
シャンプーに向いてない成分として紹介していきますが、界面活性剤としては優秀な部分もあります。
洗浄効果は界面活性剤の1つの効果なので、洗浄以外の効果で優秀な働きをします。
ただ、シャンプーにはやはり向いていません。
コスパ重視なシャンプーならまだしも高額のシャンプーでベースに使われているようなものは、ちょっと疑った方がいいかもしれません。
どれだけ有効的な美容成分を入れてようが、洗浄成分がイマイチだとトータルでマイナスなことが多いです。
詳しく解説していきます。
ラウリル硫酸Na・ラウリル硫酸アンモニウム
最近はあまり見ること少なくなりましたけど、有名どころのシャンプーやボディーソープなどでは根強く使われている成分ですね。
日本製品より海外企業のシャンプーなどで見かけることが多いです。
優れた起泡力を持っていて、シャンプーやボディーソープとして洗っている感を出してくれる成分ですが、
高洗浄力・高脱脂力・刺激性・高残留性・高タンパク質変性作用の観点からシャンプーやボディーソープには不向きです。
今回の4成分の中では頭1つ抜けて向いていない成分です。
工業用やごく少量で水と油をくっつける界面活性剤の大事な役割の1つとしてとても優秀ですが、肌や髪には付けたくはないですね。
ラウレス硫酸Na・ラウレス硫酸アンモニウム
ラウリル硫酸〜の分子量を大きくして、皮膚残留からの刺激性を改良された成分なので、大幅に髪や肌に合わせられるようになった界面活性剤です。
ですが、それでも高洗浄ではあるので、シャンプーに向いてるかと言われると、、
もっと良い成分あるよね。
って事になります。
配合されていたらアウト!とまではいかなくて、洗浄剤バランスがとれていれば、そこまで毛嫌いする成分ではありません。
例えば、ラウレス硫酸Na+ベタイン系とかの組み合わせだとベタインの効果で洗浄力も刺激性も抑えられるので、市販のシャンプーだとこの組み合わせは非常によく見ます。
今回の4種類の中では1番良い成分だと思います。
石鹸
石鹸シャンプーとか聞いたことありませんか?
歴史が長く昔からあるものだから、肌や髪にも良さそうに感じるかもしれませんが、残念ながらシャンプーには向いていません。
なぜ石鹸が向いてないかと言うと、石鹸は肌への刺激性や生分解性も良く環境の面からはとても優秀なんですが、石鹸自体は、高洗浄・高脱脂でアルカリ性です。
人の肌は元々弱酸性なのでアルカリ性になると肌環境が著しく悪くなります。
髪や肌を弱酸性に守ってくれる皮膚常在菌が生育しにくくなります。
髪の毛もアルカリに傾くとCMCという髪の潤滑油・キューティクルの接着剤的な脂質も溶かしてしまいます。
そうすると、髪の柔軟性を失ったりキューティクルを剥離してごわついたり絡まったり、カラーやパーマの持ちも悪くなります。
中には混ぜ方とかで優しい石鹸もありますが、これを理解するのは成分表の読み方を紐解く必要があります。
表記にされ方を深掘りしていきます。
石鹸は意外と複雑な知識が必要な界面活性剤なんです。
*参考記事・・・優しい石けん教えます。【低刺激性・泡立ち・コスパ・洗浄力】優秀な石けんを見分ける裏ワザ!
セッケンと表記されている
成分表記には、カリ石ケン素地・石ケン素地・カリ含有石ケン素地と記載されてます。
石鹸素材として認識するには「石ケン」と書いてあるのでわかりやすいですが、細かい洗浄力などの強さなどはこれだけだとわかりにくいです。
タイプとしては、
- カリ石ケン素地 = 主に液体
- 石ケン素地 = 主に固形
- カリ含有石ケン素地 = 固形が多い
ざっくり水酸化カリウムで出来ているものが【カリ石ケン素地】で水酸化ナトリウムで出来ているのが【石ケン素地】、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムを併用したものが【カリ含有石ケン素地】とよばれています。
脂肪酸+強アルカリを別々に記載
全成分表に高級脂肪酸(ラウリン酸・ミリスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸)と、【水酸化K】又は【水酸化Na】が一緒に書かれているのもがあり、これも石鹸になります。
高級脂肪酸ではないですが、不飽和脂肪酸の【オレイン酸】で作られているものもあります。
ここら辺になると複雑でパッと見て石鹸か認識するのは難しくなってくると思います。
こんな感じで、高級脂肪酸と水酸化Kor水酸化Naが別々に記載されています。
この場合、ミリスチン酸・ラウリン酸・パルミチン酸が高級脂肪酸として、水酸化K・水酸化Naがアルカリ剤として表記されています。
成分が分かれて書かれていると、パッと見で認識しにくくなりますが、より細かく表記されていることになるので、石鹸の中でも洗浄力や刺激性が分かりやすくはなります。
ちなみに1番刺激性・残留性が高いのが【ラウリン酸】で、1番洗浄力の強いのが【ステアリン酸】です。
反応後の成分名を記載
高級脂肪酸とアルカリ剤が一緒に記載されているケースです。
高級脂肪酸とアルカリ剤別々に記載されていたのをまとめただけですね。
成分として言いたいことは一緒です。
- ラウリン酸Na
- ミリスチン酸Na
- パルミチン酸Na
- ステアリン酸Na
- オレイン酸Na
別々に書かれているよりかは分かり易いですが、【セッケン】の記載はないので、覚えておかないといけないですね。
油脂+強アルカリを別々に記載
油脂(ヤシ油・パーム油・オリーブ油など)とアルカリ剤が別々に記載されているものもあります。
油脂は脂肪酸の組成でできているので、これも石鹸になります。
色々な脂肪酸が集まったものを表記しているイメージですかね?
これは、その油脂がどういった脂肪酸組成でできているか知ってないと難しいので、詳しく知りたい人は使われている油脂がどういった脂肪酸組成でできているか調べる必要があります。
細かいところは好き好きですが、油脂+アルカリ剤で石鹸という判別はつくと良いと思います。
オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Na
最近はシャンプーなどの体を洗うものとして見かけなくなったので、割愛してますが【ラウリルベンゼンスルホン酸Na】を改良した成分です。
- 高洗浄
- 高タンパク質変性作用
- 低生分解性(環境問題として合成洗剤は悪と思わせてしまった)
- 近年は化粧品としては、ほぼ見ない成分
実際、合成洗剤はたくさんの種類があるので、【合成洗剤=悪】というのは極端で、もっと理解を深める必要のある話です。
こう言った問題の中で改良されたのが、オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Naです。
なので生分解性は良く環境には優しく改良されていますが、かと言って髪や肌にも優しいと言うわけではありません。
高洗浄・高タンパク質変成作用はさほど変わりません。
今は一般的にラウリル硫酸〜やラウレス硫酸〜はあまり良くないという認知は広く知られることになってきてます。
そんな中で、市販のシャンプーとか割と安価なシャンプーなどで、ラウリル硫酸〜やラウレス硫酸〜などが配合されていないことをアピールする「硫酸フリー」とか「サルフェートフリー」みたいな謳い文句を使いたい時に使用されてる事が多い洗浄剤です。
こうされるとラウレス硫酸〜より優しいのかな?と思いがちですが、洗浄力は同等かちょっと上です。
なので、シャンプーとしてはあまり向いていない成分になります。
リスクはあるけど、界面活性剤としては優秀な部分もあります
今回の成分、
- ラウリル硫酸Na・ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸Na・ラウレス硫酸アンモニウム
- 石鹸
- オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Na
が主成分に入ってるシャンプーはちょっと避けた方がいいかもしれません。
かといって、この成分たちが完全に悪かと言われたら一概にそういうわけではありません。
【シャンプー・トリートメント】成分解析マニアが陥りやすい落とし穴4選
- 少ない量で水溶成分と油性成分を混ぜ合わせることができる。
- 成分的に安価なので製品自体の売値も安い。(石鹸の一部は作りによっては高価になります。)
そういう意味ではごく少量、全成分の最後の方に記載されている程度の配合量なら、リスクを考えなくても使うことができます。
肌が強く、カラー・パーマもしてなくて、紫外線や乾燥などの影響を受けることの少ない人は、コスパで選ぶのもシャンプーの選び方の1つなので、そういった人はおすすめはしないけど使っても問題ないかなと思います。
【硫酸?スルホン酸?】ヘアケア開発者が教えるシャンプーには向いてない洗浄成分4選〜まとめ〜
まとめると、
- ラウリル硫酸Na・ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸Na・ラウレス硫酸アンモニウム
- 石鹸
- オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Na
の4つはあまりシャンプーには向いていない成分です。(ラウリルベンゼンスルホン酸Naも)
- 高洗浄
- 高脱脂
- 刺激性・残留性(ラウリル硫酸〜)
- 高タンパク質変成作用(ラウリル硫酸〜・オレフィン(C-14.C-16)スルホン酸Na)
- アルカリ性(石鹸)
ざっくり理由を言うと人の体や頭を洗うには強すぎるということです。
特に、
- カラー・パーマをしている
- プールや海によく入っている
- ドライヤー・ヘアアイロンを毎日のように使っている
- 乾燥しやすい
- 紫外線を浴びている時間が長い
- 敏感肌 etc・・・
上記に該当する人は極力避けるようにしましょう。
おすすめの成分としては、【カルボン酸系】【タウリン系】がおすすめです。
【シャンプーなどにおすすめ洗浄成分!!】カルボン酸系洗浄成分とは
人によっては良し悪しが分かれますが、【アミノ酸系】も良いと思います。
【髪にも肌にも優しい?】アミノ酸系シャンプーのメリットとデメリット。
参考になれば嬉しいです。
コメント